赤い狼と黒い兎


「!…馨が…」

「笑った……」



そんな言葉すら耳に入ってなかった。

あ〜、こんな笑ったのいつ以来だろうなぁ…。



『バーカ、心配し過ぎだ』



そう言ってまた笑えば、2人は頬を膨らませる。



「そりゃ心配するでしょ!」

「そうじゃなくても最近働き詰めじゃん。」

『…そうだな』

「少しは休まないと、身体が持たないよ?」

『……安心しろ。そこまでヤワじゃない』

「そーゆう問題じゃなくてっ!」



首を傾げればひまはあたしの手をとり、目を伏せながら言った。



「馨に何かあったらさ……」

『向日葵…』

「無茶しぃだからね、馨は」

『亜稀羅…』

「そのオテンバを守るのが俺らの役目だろ?」

『唯兎…』



< 216 / 286 >

この作品をシェア

pagetop