赤い狼と黒い兎


「おい、何か言えよ?」



何を言うんだよ、あほか。

ふいっと顔を逸らせばイカれたように笑い、顎を無理矢理掴んで自分の方に向かせた。



『……っ』

「生意気な態度だな。助けが来る前に殺すぞ」



…はっ、殺したきゃ勝手に殺せ。

ぺっと嶽に向かって唾を吐けば、怒りが頂点に達したのか“ガンッ!!!”と思い切り殴られた。



『…っゴホッ!ぐっ…』



やべ…意識、飛びそ……。



「調子ノってんじゃねーよ、クソガキ。ま、そんだけ痛め付けりゃ何も出来ねぇだろ」



またイカれたように笑い、部屋を出て行った。

ついでに、ガチャンと鍵も閉めて。



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