赤い狼と黒い兎
『……ッテ』
最悪。起き上がることすら出来ねぇ…。
あーまた迷惑かけてんなぁ…。
アイツらぜってー探してるよなぁ……。
『ナメられたもんだよなぁ、あたしも…』
いや、違うか。
自分の行動が浅はかだっただけだ。
何もないだろう、と過信していた。
それが迂闊だったのだ。
『……どー…すっかなぁ……』
まずこの手錠が…外せなきゃ意味ねぇ…んだけど…。
そこであたしの意識がプツリと途切れた。