赤い狼と黒い兎
−亜稀羅 side−


先に帰った馨が家に居ると思ったら居なくて。

おかしい、って思ってたら馨から電話が掛かってきた。



「もしもし、馨?今どこに…――」

《もっしもーし、亜稀羅サーン?》



明らかにそれは男の声で。

声を聞いた瞬間、悪感が走った。



「…誰だてめぇ」

《おぉ!いい声だねぇ、亜稀羅くん》

「………」



嶽が、何で馨のケータイから……。



《まっ、お察しの通りキミのお姉さんは拉致させてもらいましたよ?》

「なっ!てめぇ、馨をどこへやった!!」

《まぁ落ち着きなさいって。》



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