赤い狼と黒い兎
電話の向こう側で笑ってるこいつに、腹が立つ。
何がしてぇんだよ…っ
《馨チャンならまだ大丈夫だからー》
「まだ…?」
《そ、まだ〜。お前らが早く見付けりゃ…って場所すらわかんねぇか!》
うぜぇ笑い方する嶽にイライラが募ってきた。
場所ならわかってるぜ?昔と同じだろ。
「てめぇ馨に何かしてみろ、俺がお前を殺す」
《ほぉ〜、やってみな?待ってるぜ、亜稀羅チャ〜ン♪》
ブチッと切られた通話。
moonの奴らなら情報が早いから、もう知ってるはず。
アイツらに電話しねぇと…。