赤い狼と黒い兎


途中で合流した亜稀羅と、馨が居る倉庫に向かった。


――少し、古びた倉庫。灯り一つ無い、真っ暗な辺り。

すると遅れて朱雀たちがやって来た。



「さぁて…どーします?この壁」



あたしたちの目の前には、シャッターの下りたドア。



「どうするって、選択肢は一つだ」



moonたちは各々、手袋を嵌め初めやる気満々だった。

それは幹部たちも同じで、自分もいつの間にか手袋をしていた。



「そうか。…それもそうだな」

「おいてめぇら!!覚悟出来たか!!」



麻友美が振り向いて、全体的にそう問い掛けた。

…志強い、キレイな瞳。

それがあたしたちに向けられた。



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