赤い狼と黒い兎
「――…い、起きろ」
ガツン、と何かが当たる音で目が覚めた。
…あれ、あたし寝てたっけ…?
「役者は揃った。主役の登場だ」
ニヤ、と口が怪しく歪められ伸びてきた手に手錠を外された。
でも拘束は取れず、次はロープだった。
…ロープなら取りやすいからいいか。
「歩け」
ドンッと肩を押され、前のめりになりながら歩いた。
…あー疲れるなぁ、この役…。
ていうか、役者が揃ったってなんだ?
まさか…アイツらが来たのか…。
「お前の“仲間”とかいう奴ら?可哀想になァ、どうなるかも知らねぇで…」