赤い狼と黒い兎


それから、救急車が何台か来て怪我人を運んで行った。


一番の重傷者は、亜稀羅と馨。


一応嶽ってやつもそうだけど、いろいろ危ないらしい。


俺も詳しく聞いてねぇから知らねぇけど…。


俺らも病院で手当てもらって、しばらくは通院だ。



「唯兎ッ!」

「!…瑠宇さん」



血相変えて、瑠宇さんや青夜さん、加奈子ちゃんが来た。

それを見るだけで、罪悪感を感じてしまう…。



「馨、と亜稀羅、は…?」

「…まだ、手術中です」

「……そうか」

「嶽は?」

「その人も…」

「……返り討ち、ってところね」



< 255 / 286 >

この作品をシェア

pagetop