赤い狼と黒い兎
あたしの頬っぺから手を離し、力無く椅子に座った。
…心配、かけたなぁ
『唯兎…』
「だいたいお前は!単独行動が多すぎなんだよ!だから拉致られんの、わかる?」
『へ、へい……』
ちょ…いつまで続くの説教…。
『ご心配お掛けしたようで……』
「…バカ馨」
『…すいません』
「もう絶対あんな事すんなよ…」
ぎゅっと力強く、存在を確かめるかのように抱き締める。
『…すいません』
「てか、俺がさせねーよ。…ぜってー俺から離れさせねぇから」
『……え?』