赤い狼と黒い兎
無理だよ!恥ずかしすぎるでしょっ!!
「俺は言ったのに?」
『……ズルいよねぇ、ほんと』
面と向かってじゃないくせに。
ニコニコ笑っちゃって、むかつく奴。
『じゃあもっかい言って』
「言ったら言うか?」
『ん、言ったら』
唯兎はにこりと笑って、あたしの手と自分の手を絡めた。
…所謂、恋人繋ぎというやつですね。
恥ずかしいのはあたしだけかなぁっ?
絶対、顔、真っ赤だ…
「好きだよ、馨」
『…ん、あたしも…』
「……なに?」
……こいつっ!言わせる気かっ!!