赤い狼と黒い兎
『うるせぇ……』
顔をしかめて言えば、ずんずんとやって来る。
「馨チャン、大丈夫?」
『は?』
「何もされてないよね?」
『は?』
「「あったの?」」
何をそんなに聞きたいのか、というか何かってなんだ?
『……はぁ?』
「半殺し決定?」
「だね。やっぱり野蛮だよ、朱雀は!」
おまえらの考えていることが野蛮だ。
『……深子、磨子』
「「ん?」」
『突き落とそうか。』
にっこり笑顔で、手をくいくいとやった。
すると、双子も笑顔になり……。
「「遠慮しとくね!」」
…と言った。
すっげー満面の笑みで。
『……なら黙って座っとけ』
「「へーい」」
双子は椅子を引き、大人しく座り話をしだした。
……臨機応変だな、まったく。
「…で?解決したワケ?」
『ああ、うん』
「なーんで朱雀まで呼んだのかなぁ?」
「馨にもまだ情があったとか?」
……あたしって、いつでも言いたい放題言われるんだな。
『琉樹、後で顔貸しな』
「え゙…すいません」
『は?じゃ身体ね』
「……そこは麻友美では…?」
「ちょっと、巻き添えにしないでよ」
嫌そうな顔をする麻友美に、青ざめる琉樹。