赤い狼と黒い兎

「これ、日常茶飯事？」

『…止められるもんならね、止めたいよ。あたしだって』



うるさいし、耳障り。

やめろって言って、やめるくらいならとっくにやめてるよ。



「…馨ってほんと苦労してんな。いろいろ」

『……うっせ、ほっとけ』



いろんな意味で郁に同情され、頬杖しため息をついた。



「お？なんだ、仲良く遊んでんのか？」



結構結構、なんて言って入って来るのは青夜と加奈子だった。



「青夜さん！？」

「加奈子姉さんじゃないですか！」

「おーう」

「うぃっす！」



思わぬ人物の登場にそれぞれ違った反応を見せた。



『…なんか用か』

「用事だよ用事！」

『……お引き取り願います』

「まぁ、酷い子ねぇ。そんな子に育てたお『育てられた覚えはねぇ』……最後まで言わせてくれてもいいじゃない？」



苦笑い染みた笑顔を見せてそう言った。



『用事は？』

「お前ってほんとせっかちよねぇ〜」



じろりと睨めば、ごほんなんてわざと咳払いする。

…また面倒くさいやつが乱入して来たなぁ…。



「えー…、俺たちの用事はだな」

「早い話、同盟組んじゃお！ってね」

「加奈子さん、１ついいですか？」

「ん？何かしら、春架」