赤い狼と黒い兎
『…アイツらは関係ねぇ。手出しすんじゃねぇよ』
《ヒヒッ!そうもいかねぇんだなァ、これが!…朱雀はおめぇの兄貴、元は瑠衣が作ったチームだ》
『はっ…?』
嶽の言葉に目を見開いた。
…瑠衣が、朱雀を作った…?
『…バカか。作ってねぇよ』
《いや作ったね!オレと一緒に》
『……』
《朱雀の初代は、本当はオレと瑠衣だ》
『嘘だ…』
《ほんとだよー馨ちゃーん》
…ムカつく通り越して、もう潰してやりてぇ…。
《おーそーいや、瑠宇元気?相変わらずシスコン?》
『………』
《オーイ、馨サーン?》
左手をぎゅっと握ると、ボタボタと血が落ちる。
何でこんな奴がムショから出れたんだよ。
瑠衣は、死んだのに、こいつは、生きてんだよ…!
『……っざけんな』
《アァ?どーしましたかぁ〜?》
『てめぇが死ねば良かったんだよ、瑠衣の代わりに。何で瑠衣がいなくて、お前が居るんだよ…!』
《あらあらー急にどーしました?》
笑ってる
電話の向こう側で
ほくそ笑んでやがる…――
『……てめぇ、そんな口叩けんのも今のうちだからな』
《……》