赤い狼と黒い兎
『次、てめぇと会った日が命日だ。覚えとけ…俺の仲間に傷1つでも付けたら、ぜってぇぶっ殺す。これは俺からの忠告だ』
すると、クフッという気味の悪い笑いが聞こえた。
《クッ…ギャハハハハッ!ギャハッハハハッ!てめぇが、オレを、殺す!?アッハハハハッ!!!!》
『笑ってられんのも今のうちだ…。』
《仲間だ?傷だ?ギャハッ!!てめぇがいることで周りが傷ついてンだよ!!それくらい気付けっ!》
『っ!』
図星で、反論出来なかった。
今回のことだってそうだ。
深子や磨子、向日葵に下っぱの奴等。
誰1人として関係がないのに、ケガを負った。
『……』
《カハハハッ!…まぁ、いい。お前に一時の“幸せ”を与えてやるよ》
『………』
《徐々に攻めて、お前にもう一度絶望を味会わせて…そうだなァ…。オレの玩具にしてやるよ!キャッハハッ!》
バタバタと足音が聞こえたと思えば、音楽室の扉が開いた。
…あーあ、左手…やべぇなぁ…
《仲間だの云々言う前に、てめぇがまず仲間だと思われてねぇよ》
『……黙れ』
《お前、自分の目ぇ鏡で見たことあるかァ?その人間じゃねぇ目をよォ》
『……黙れよ』
《あ、だったら亜稀羅も一緒か!姉弟揃って異端児か!…おめぇらを生んだ親見てみてぇもんだわ》