空からの届けもの
と、突然。エフは目にも止まらぬ速さでその荷物を奪い取り、
「あ、ちょ……!」
テトラなどお構いなしに包装ーーぼろきれのような布を解いた。
そして。
「おー、やっぱり剣か!触った形がそうっぽかったもんな!」
非常に嬉しそうなエフ。驚いて立ち尽くすテトラ。
「な、なんで……?」
「おいおい、仮にも剣士の端くれなのにそんな反応かよ……。お、これ真剣じゃん!」
エフ、テンションマックス。
「おい、お前ら!さっさと来い!!」
お約束のリーダーボイス。
慌てて2人は駆けて行き、剣は部屋の隅に取り残される。
「放置、ですか。ま、いっか」
静かになった空間に響く、声変わり前の澄んだ声。
泡沫のように、その空間に消えいった――。