空からの届けもの

お喋り剣の依頼


 朝。


 清々しい朝。


 なのにやっぱりテトラは疲れた表情。


「よ!今日も冴えない顔だな。また変な夢でも見たのか?」


 エフの問いに、テトラは呟くように言う。


「……昨日届いた剣が、喋るんです」


「ほう。それはまたファンタジックな」


「それで……変なこと言うんです。ヒメって女の子が拐われた、って」


「あらま。ヒメちゃんかわいそう」


「で、僕がその子を救わなきゃいけないって」


「へぇ、頑張れ。その前に今日の仕事頑張れ」


「そんな話を夜通しされて……僕、全然寝られなかったんです」


「そうか。それなら大丈夫。オマエはしっかり眠れてる。まあそんな夢、疲れるだろうけど」


 テトラの泣きそうな表情にも気付かず、エフはそれはそれは元気そうに仕事場へ行くのだった。



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