空からの届けもの
「た、たのみごと?」
剣は何かを考えているのか、少し黙る。
「うーん。極秘って言えば極秘だから、誰にも言ってほしくないんだけど……聞いてくれる?」
「え?えーと、うん……?」
焦らすのが好きらしい剣は、一息吐いてはっきり言った。
「この国の王家の第2子である姫君を、助け出して欲しいの!!」
長い沈黙。
「あのね、姫は……幽閉されちゃったの。森の古城に」
あまりの沈黙に、剣はこっそりと思うのだった。
(うわー、やっぱり信じないよな。そんな国の一大事なのに、国民には知らされてないし。
そもそも、頼まれてる身で口止めされてるもんなー)
だけど、この事件も助けて欲しいのも、全て本当のこと。
どうすれば信じてもらえるか……と、また考えようとする。