空からの届けもの

「た、たのみごと?」


 剣は何かを考えているのか、少し黙る。


「うーん。極秘って言えば極秘だから、誰にも言ってほしくないんだけど……聞いてくれる?」


「え?えーと、うん……?」


 焦らすのが好きらしい剣は、一息吐いてはっきり言った。


「この国の王家の第2子である姫君を、助け出して欲しいの!!」


 長い沈黙。


「あのね、姫は……幽閉されちゃったの。森の古城に」


 あまりの沈黙に、剣はこっそりと思うのだった。


(うわー、やっぱり信じないよな。そんな国の一大事なのに、国民には知らされてないし。
そもそも、頼まれてる身で口止めされてるもんなー)


 だけど、この事件も助けて欲しいのも、全て本当のこと。


 どうすれば信じてもらえるか……と、また考えようとする。





< 23 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop