空からの届けもの

「ええと、ヒメって……誰?」


「そこからか!」


 心配になる。この男子、信じるもなにも、内容を理解できていないのでは。


「姫っていえば、あなたの知り合いでしょ!友達でしょ!」


「ええ?そんな名前の友達、いたっけ……?」


「それ且つあなたが“能力者”だから頼みに来たの!」


「え?あ、人違いだよ。僕はノウリョクシャじゃない」


「そりゃ、まだ自覚は無いだろうね、だけど……」


 剣は意味深に息を吐く。まるで、それを言いたかったかのように。


 が、次の言葉を発しようとした、その前に。


「僕の名前はテトラだよ」


「そんなこと知ってるわぁぁぁッッ!!」


 心配になる。もしかして、「姫」も誰かの名前だと思っているのでは。


「宛名、聞いてたでしょ?あなたの名前だったでしょ?」


「あ、そうだ。でも、じゃあノウリョクシャって誰?」







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