空からの届けもの
「一般人とは比べものにならない……?」
「知ってた?剣士の練習相手となる剣奴って、みんな“能力者”候補なんだよ」
「でも……僕はそんなに強くない。むしろ毎回怒られてばかりだ。それなのに、何で分かるの?」
「ん?」と剣は気付く。
昼間、少し見ただけで分かった。テトラは、とことん前向きだと。
なのに、届け物を受け取った時や今は――。
「ふーん。テトラって、自分が嫌いなの?」
「え?……うん、そうかな」
「不思議な奴だなー。まあいいや」
サクッと片付けられ、なんか複雑なテトラ。
「自覚がないのは、まだその力が発揮されてないから。だけど、ボクのご主人様には分かるの」
「ご主人様、すごい剣だね」
「いやいや、ご主人様は人だからね?剣じゃないからね?」