空からの届けもの

「えーと、つまりどういうこと?」


 今の単語が母国語だということさえ分かっているか不安だ。


「つまり!テトラが助けないと、姫は悪い人達に誘拐されて、殺されちゃうかも知れないってこと!」


 やっと「ええっ!?」とギョッとするテトラ。話がものすごく飛んだことに気付くはずも無かった。


「どうしてそんな危ない所にいるの?」


「だから、幽閉されたんだって。それも国王達によって」


「国王って、この国で1番偉い人のこと?ヒメさん、何か悪いことしたの?」


 テトラが訊いた直後、剣は「違う!!」と叫んだ。
 おそらく首があったら、音が鳴るくらい横にブンブン振っているだろう。


「姫は何も悪くない!悪いのは、頭のカタいお役人達だ!」


 いきなり人(ん?)が変わったように怒りだした剣を前に、テトラはどうすればいいか分からず、おろおろ。


 と。


「テートーラ。夜明けまで、後どれくらいあるでしょーかっ」



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