空からの届けもの
「君さ、僕とヒメさんは友達だって言ったよね。けれど、僕はそんな名前の人は知らないんだ。それで……ちゃんと教えてほしくて」
剣はそれを受けて、溜め息1つ。
「やーっぱり勘違いしてる。姫っていうのは、国王の娘のこと。名前じゃないの!
クラネ様って言えば通じる?そっちが本名」
「くらねさま?」
テトラの脳裏を、一人の人物がよぎる。
「クラネって……格技場によくいる、あの不思議な子?」
「不思議って。うん、そうかな?へ~、いつも抜け出して格技場行ってたんだ」
「でもあの子は、友達ってほどじゃ……それに、僕のこと嫌いみたいだし」
「そうなの?
でも、よく知り合えたよね。貴族でも1回会えたらすごいってのに」
「それは……大会にあの子がたまたま来てて」
「大会?まあとにかく!クラネ様って、友達いないんだよ。故に、助けに行ってくれる人もいないってわけ。
どう?その気になった?」