空からの届けもの
地味に酷い剣だ。
「そういえば、あの子って国王の娘だったっけ。
――1年前の剣奴の大会で優勝した時に、表彰してくれたのがあの子だったんだ」
「ああ、それで能力者候補なんだ。じゃあ、ありえないわけじゃないのか」
「そうなの?その後今の剣の仕事を始めて、2回に1回は会うかなって関係だけど」
「ふーん、やっぱりお気に入りなんだ」
「そんなことないよ。嫌味しか言わないもん」
さらに何か言おうとした剣は、一瞬何かを考える。
「うん、先に言おう」
「え?」
ニヤリとしたのか分からないが、剣はつらつらと話し出した。
「クラネ姫は、人付き合いを嫌う、いわば一匹狼です。
ある日、ある能力者候補と知り合いになりました」
「それが、僕だと?」
「人との馴れ合いは嫌いな姫ですが、その人とは平気でした」