空からの届けもの

「だから、それはな

「あまりに気に入ったので、学校も勉強もそっちのけで、度々その人に会いに行きました。

そしてついに、国王である父親の反感を買うのです」


「……」


「国王はその能力者候補が悪いとし、彼を姫から遠ざけようとしました。

色々な話し合いの結果、彼を能力者候補から外すことになったのです」


「……。え?」


「ところが、それをクラネ姫は許しませんでした。

彼を遠ざける代わりに、クラネ姫自身が遠ざかることを決意したのです」



「ま、まさか」


「こうして姫は、森の古城に連れて行かれたのでしたとさ」


 話し終えた剣は、目の前の少年に目を向けた。
はずだ。(そうしないだろうか、いやそうする)


「そ、その能力者候補のせいであの子はそんなことに?そしてその能力者候補は僕で……。
つまり、僕のせい?!」





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