空からの届けもの

 昨日同様、テトラ大パニック。


「あまり大きい声出さない方が良いんじゃない?」


 慌てて口を閉じるテトラ。


「別にー。その人のせいとは言ってないよ。ただね、ボクのご主人様は結構お怒りかなー。
で、どう?行く気になった?」


 脅迫めいた剣の問いに、テトラは対応できない。


「え、えーと。ホントにその能力者候補って、僕なの?エフ先輩とかじゃ?」


「その人、クラネ様と言葉交わしたりする?」


「……しません」


「じゃあ違うね。さて、どうするの?」


「それは……」


 自分のせいだと分かった以上、断る権利など無い気がする。しかしテトラにだって“生活”というものがある。




 その後色々な問題を持ち出してみたテトラだが、この口の達者な剣にかなうはずがなかった。





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