空からの届けもの
「親方さん、すぐに許してくれて良かったねー」
「うーん……」
先程。テトラは勇気を振り絞って親方に仕事を辞めることを伝えた。
親方は、理由も聞くことなく承諾した。
「ん?なんか、あまり嬉しそうじゃないねー」
「いや、ええと」
代わりはいくらででもいる、という厳しい社会の現実くらいテトラだって知っている。
(怒られると思って構えてたのに、すぐ辞めていった人に言うのと同じ風に「分かった、今までお疲れ」って……)
7年も付き合って来たんだからちょっとくらいビックリしてくれたっていいじゃないか。怒られなかったのは良かったけど。
ということで、何だかものすごく複雑なテトラ。
「まあいいけどさ、これからいろいろ揃えに行くんだから、しっかりしてね!」
そんなテトラの腕の中で、剣はやや張り切り気味。