空からの届けもの
「揃える?何を?」
「だってテトラの持ち物って、今着てる服と、さっき隠した写真1枚だけでしょ?」
借りていた部屋を片付けて、さあ行こうと出てきたテトラを見た時は驚いた。
荷物を実家に置いてきてもいいか、くらいは言われると思っていたのに。
「給料も『送っておいてください』って……。実家に帰るくらいなら付き合ったのにさ。あと、写真見せて?」
「あ、それは絶対しないよ。写真も見せないよ」
「サラリと言うね。お母さんちょっとかわいそう」
まあ止められたら困るしなーと考え直す剣。ますますかわいそうなテトラ母。
「それで、揃えるって?」
「はっ、また話が逸れた!
これからの旅に必要な物を揃えるの。まずはボクをどうにかしなきゃ。このまま腕に抱えてく訳に行かないでしょ」
「う、うん。キミは腰から提げるには大きいから、背負う感じかな。じゃあ何か紐みたいの探さなきゃ」
と辺りをキョロキョロし始めるテトラに剣はストップをかける。