空からの届けもの

「ああいうの、見習いの剣使い達が持ってる!……あ、でも、ここで探すのは君を括り付ける紐だよね」


「それもだけど、まずはテトラの身なりを揃えなきゃ。その恰好じゃ旅なんてできっこないよ。表通りに出たがらなかったのもそのせいだよね」


「えっいいの?でも、本当にこの紙で買えるの?」


「まだ疑ってるのか。まあ、物は試し。行ってみよー!」


 と意気揚々と店に入った訳だが、店主や客に顔をしかめられ早くも消えて無くなりたくなるテトラ。


 それとは裏腹に「あれは重すぎ」「これは大きい」等とじっくり物色する剣。


 相変わらず息の合わないコンビである。


 ——承諾なんてするんじゃなかった、とテトラが過去の自分を憎みだした頃。


「お、この服水はけ良さそう!丈夫そう!デザインも気に入った!」


ようやく剣の満足した声が上がった。


「じゃあ、次は君を括る紐を」

「まだまだー!サイズ確認しなきゃ!それから戦闘用の靴も欲しいよね。それから丈夫なポーチとか、あと……」



< 46 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop