空からの届けもの
「ああいうの、見習いの剣使い達が持ってる!……あ、でも、ここで探すのは君を括り付ける紐だよね」
「それもだけど、まずはテトラの身なりを揃えなきゃ。その恰好じゃ旅なんてできっこないよ。表通りに出たがらなかったのもそのせいだよね」
「えっいいの?でも、本当にこの紙で買えるの?」
「まだ疑ってるのか。まあ、物は試し。行ってみよー!」
と意気揚々と店に入った訳だが、店主や客に顔をしかめられ早くも消えて無くなりたくなるテトラ。
それとは裏腹に「あれは重すぎ」「これは大きい」等とじっくり物色する剣。
相変わらず息の合わないコンビである。
——承諾なんてするんじゃなかった、とテトラが過去の自分を憎みだした頃。
「お、この服水はけ良さそう!丈夫そう!デザインも気に入った!」
ようやく剣の満足した声が上がった。
「じゃあ、次は君を括る紐を」
「まだまだー!サイズ確認しなきゃ!それから戦闘用の靴も欲しいよね。それから丈夫なポーチとか、あと……」