空からの届けもの

 普段あまり使わない頭をフル回転させたため、ズキズキする。


 だが、これで親方に許してもらえる……はずだ。


「親方、終わりました」


 またまた地上に上がり、鬼……いや親方へ返却。


「お、もう終わったか。前エフがやった時は半日かかったのにな。いやー、やっぱ天才は違うなー」


 テトラは知っている。その昔、この鬼が2時間弱で終えたことを。


「誰が鬼だって?……そーいや今日は、『訓練』の日か?」 


「お、鬼だなんて言ってません!……そうです。だから午後は予定入れないでください」




 ここで、彼についてもう1つ説明がある。


(前回も怒られてばかりだったけど……今日こそは!) 


 爆弾業のほかに、テトラは兵隊――剣士の仕事もしている。


 どの国の、どの時代にもある“志願兵”というやつだ。


 こちらの仕事内容は、主に国や城の防衛。戦となれば戦場まで出向く。


 そのために、見習い兵士達は戦法を学ぶのだ。――一般市民は。



< 9 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop