水に映る月
慧がすき‥
もう、これ以上、我慢なんてしたくない‥
出来ないよ‥
あたしは、体を起こしてベッドの上に座り、寝息を立てている慧を揺り起こした。
「ケイちゃん、起きて。ねぇ、お願い、起きて!」
目を覚ました彼は、眠そうな目を開いて、あたしを見た。
そして
「ん‥、なに?」
って、訊いた。
─ その顔も、その声も‥
全部がすき‥
涙がイッパイ溢れた。
だいすきのキモチが溢れた。
「あたし、居候なんかイヤ!ケイちゃんのカノジョになりたい!」
想いを声にして、あたしは慧にぶつけた。