水に映る月
 

あたしは、ベッドの上に座り込んだまま動けずにいた。

慧は、歩み寄りメモ用紙を差し出した。


走り書きされた文字を見る。

ケー番が書かれていた。


「なに?これ‥。」


慧は、ダルそうにベッドに寝転んで


「ヨシトの番号や。」


って、答えた。


「カレシが欲しいんやったら、ヨシトと遊んだってや。アイツ、今はフリーやと思うし。」


冷たい声で、そう言った。


 
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