水に映る月
「はよ‥。ケイちゃん、おかえり。」
慧に起こされるなんてこと、今まで、一度だって無かった。
だから、驚いたと同時に嬉しかった。
彼は、あたしを見つめて
「顔、どしたん?」
って訊いた。
「え?」
自分で言うのも何だけど、寝起きの顔は可愛い。
鏡で確認した方がイイと心配そうに話す彼に首を傾げて、あたしはベッドを降りた。
そして、洗面台の鏡を見る為に、ユニットバスの扉を開けた。
メニュー