水に映る月
「純ちゃん、今どこにいる?」
「正雀の‥、近く。」
「酒、飲んだんか?」
「うん‥。」
「あかんやろ。もう飲むなよ。分かった?」
「うん。」
「迎えに行くし、純ちゃんの友達に電話代わって。」
「え?なんで?」
「純ちゃん、場所の説明出来へんやろ?」
「うん‥。」
丁度、お風呂から出て来たタケルくんに、場所を説明して欲しいとケータイを手渡した。
タケルくんは慧と話し終わると、あたしにケータイを差し出しながら
「どうして、オレがソイツと話さなきゃイケナイんだよ‥。」
不服そうに呟いた。