水に映る月
 

ふと、膝に置いた自分の手元に視線を遣った。


左手に握り締めていたケータイを開いてみる。


手を繋いだ慧とあたしが液晶画面の中で、ぎこちない笑顔を見せていた。



清香とも、こんな風にプリを撮ったのかな‥

清香とも、手を繋いで歩いたのかな‥


あたし‥

永遠に、その他大勢なのかな‥



切なくて切なくて、涙が溢れた。


 
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