水に映る月
 

頭の中は、ゴチャゴチャだった。

どんなに考えても、慧を悪い人だとは思えなかった。


ホームの階段を上り、自動改札機を通り抜けたけど、また定期券を改札機に入れた。


そして


『実家に帰る
 明日の昼には戻るね』


慧にメールを送信して、ホームへと戻った。


彼を感じない場所で、一人になりたかったのかな‥。


誰にも会いたくなくて‥。


電車を乗り継いで、あたしは数ヶ月振りに自宅に帰った。


 
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