水に映る月
そして、その日以降、慧があたしに触れることは無くて‥。
また以前のように、距離感を感じる生活が続いた。
惹かれ合っているのに‥。
まるで、枕の境界線みたく、二人の距離を阻む原因がある。
慧には、あたしに言えないことがある。
そして、そのことが、二人の距離を遠ざけている。
あたしは段々と、本当の原因が何か知りたいと思うようになった。
慧のココロに闇があるなら、あたしは、その闇を照らしたい‥
暗闇を照らす、夜空の月になりたい‥
11月も半ばを過ぎようとしていた頃。
あたしは、一つの決心をした。