水に映る月
∮08 スペード
「やっぱり~!あの写メって、ケイだったんだぁ!」
ファーストフードのテーブルで、フウカさんは叫んだ。
バイトを終えた後、相談があると言って、あたしは彼女を誘ったんだ。
「純ちゃん、彼と付き合ってんのぉ?ヤメた方がイイって!いつか酷い目に合うよぉ!」
興奮気味のフウカさんに訊きたいことは、その理由。
ここに来るまでに、何度も頭の中で繰り返していた言葉を、あたしは投げ掛けた。
「ケイちゃんのこと、教えてください。フウカさんが知ってること、全部。」