水に映る月
 

その夜は色んなことを考えてしまって、あまり眠れなかった。


翌朝、バイトを休み、慧が眠ったのを確認して、あたしは出掛ける準備を始めた。

そして、お昼過ぎに家を出た。


梅田でJRに乗り換え、教えて貰った駅を目指した。


電車に揺られながら、あたしは、ユーナさんとの会話を思い出していた。


───‥
 ────‥


昨夜、突然、電話を掛けたあたしに、ユーナさんは言った。


「ケイのことは知ってるけど、今は関係無い人やし‥。だから、ごめんけど、面識のない人には話せないかな‥。」


切羽詰まった思いで電話を掛けていただけに、泣きそうになった。


 
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