水に映る月
10分ほど待っていると、バスがやって来た。
列に並んでバスに乗り、あたしは一人掛けシートに座った。
動き出した車内で、ずっと緊張していた。
慧の元カノって、どんな人なのかな‥
好奇心より、怖さの方が感情の大部分を占めていたと思う。
慧の過去を、知ることになるんだし。
元カノ、あたしより可愛かったら凹むよな‥
そんな余計なことまで、考えてしまったけど‥。
ココロは、落ち着かないままだった。
次のバス停を告げるアナウンスが流れた。
あたしは、降車を知らせるボタンを押した。