水に映る月
ティーカップが空になった頃、慧は、お風呂から出て来た。
トランクス一枚で肩にバスタオルを掛けた姿で、彼は冷蔵庫を開けた。
そして、ペットボトルに口を付け、残り少なくなったオレンジジュースを飲み干した。
その後、慧はスウェットを着ると、ベッド下の階段に座った。
あたしは、ソファに座っていた。
「話って?」
─ その優しい笑顔‥
「‥うん。」
─ 怖い顔になるのかな‥
でも‥
「ん?純ちゃん、どしたん?」
─ ちゃんと知りたい‥
「昨日‥、ユーナさんに‥、会って来た。」
あたしは、慧に告げた。