水に映る月
 

「ケイちゃん!お願い!行ったらイヤや!もぉ勝手なことしない!ねぇ!ケイちゃん!」


涙がイッパイ溢れて来た。

どうしようもなく苦しかった。



慧を失うことになるなんて‥


慧に嫌われてしまうなんて‥



「ケイちゃん‥、ゴメンナサイ‥。」


泣きながら謝った時‥。

玄関ドアのパタンと閉まる音が部屋の中に無情に響いた。



─ どうしよう‥



あたしは、その場に座り込んで泣いた。


 
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