水に映る月
 

靴を履くのも、もどかしい。

裸足のままで飛び出した。


パジャマ姿だってこと、気付いたけど、どうでも良かった。


エレベーターを待ってる時間なんか無い。

非常階段を駆け下りた。



─ 早く‥

  早く‥

  早く‥



エントランスの自動ドアをすり抜け、駐車場に向かう。

慧の車がゆっくりと、駐車場から出て来るのが見えた。


あたしは走り寄り、息を切らして車の前に立ち塞がった。


 
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