水に映る月
 

─ イヤだよ‥

  ケイちゃん‥



落ち葉がひらひら風に舞う。

裸足の足がアスファルトの冷たさを感じていた。


視界から、慧の車が消える。


止まらない涙は、あとからあとから頬を濡らして‥。

朝の冷たい風が薄手のパジャマを通し、華奢な体を震わせた。


ココロが寒いと、体まで冷えてしまうのかな‥。

急激に、寒さが襲って来た。


あるのは、孤独感と焦燥。


重たい足取りで、あたしはマンションへと戻った。


 
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