水に映る月
 

自首を説得するなんて無理。

そのことを、ハッキリと感じた。


慧が、どんなに悪人だって、あたしは傍にいたいと思った。

離れたくないと思った。


それが常識から逸脱した考えだとしても‥。


滅茶苦茶でもイイ‥。

そう思った。



部屋に戻り、バスタブにお湯を溜めた。

一人入るのがやっとの浴槽には、すぐにお湯が溜まる。



─ ケイちゃん‥



ココロは冷え切ったまま‥。

自分の体を抱きしめるように、あたしは、お湯に浸かって体を暖めた。


 
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