水に映る月
「純ちゃん、すきや。オレ、本気やもん。」
「kissはイヤ‥。」
「分かってる‥。」
あたしの首筋に、サトルの唇が触れる。
甘いシャンプーの香りを、仄かに感じる。
あたしは、サトルのゴールドにブリーチした髪に触れ、彼の背に腕を回した。
どうでもイイ‥
あたしは、元のあたしに戻ったんだし‥
そう思っているのに‥。
「サトル、タバコの火‥。」
「ダイジョウブ。」
「ね、おなか空いてるし、なんか食べたい‥。」
彼の行為を受け入れる気にはなれなかった。