水に映る月
 

あたしのココロには、慧がいる。

もう、元のあたしには戻れない。



「オレ、コンビニ行って来よか?」


「あたしも、一緒に行く。」


一人になるのが怖い。

サトルと一緒に、アパートを出てコンビニに向かった。


走り去る車が黒だと、咄嗟に目で追ってしまう。

こんな場所を、慧が走っているワケが無いと分かっていても‥。



「ね、サトル。雲、無いね‥。」


「ん?ほんまやな。」


青く澄んだ空を見上げて‥。

潤んで来る涙を誤魔化した。


 
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