水に映る月
 

咄嗟に、ママを振り向いた。


とても信じられなかったけど‥、

ママは優しい表情で、あたしを見つめていて


「そんなに愛してるんなら、信じて待ちなさいよ。」


ハッキリと、そう言った。


そして、また壁に向かってブツブツと話し出した。


「ママ‥?」


ギュッと締めつけられる胸。

涙が溢れて来た時‥。


「泉水さん、お部屋に戻りましょうね。」


看護師がドアを開けた。


 
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