水に映る月
あたしは、慧との距離を縮めたい。
違う‥。
縮めたいんじゃなくて、失くしたい。
慧との距離を0にしたい。
病院をあとに、あたしは、その足で真っ直ぐに慧のマンションに帰った。
もう迷わない。
あたしは、慧がすきだから‥。
いつも、慧がするように、ベッド下の階段に腰掛た。
そして、ケータイを開き、新規メール画面に、文字を入力していった。
ケ
イ
ち
ゃ
ん
が
す
き
ず
っ
と
待
っ
て
る
·
·
『ケイちゃんがすき
ずっと待ってる‥』