水に映る月
それでも、あたしは待ち続けた。
きっと、慧は戻って来る。
そう信じ続けた。
バイトも休まず行った。
寂しいから、キッチンと玄関の照明は点けたまま出掛けて‥、
バイトから帰って来たら、必ず、靴箱の中を確認するのが習慣になった。
けれど、12月も半ばを過ぎようとした頃だった。
ふと、ある考えが脳裏を過った。
もしかしたら‥
もう、警察に捕まっちゃったのかもしれない‥
そう思うと、その考えは当たっているような気がした。
居ても立ってもいられなくなり、あたしは慧にメールした。
『ケイちゃん どこ?』