水に映る月
「えー!そぉなのぉ?なんだぁ、純ちゃん達、やっぱ付き合ってたんじゃーん♪」
カマを掛けたつもりだったのか、彼女は得意気な表情を見せた。
「あんなヤツ、騙される前に捨てて正解だよねぇ!あ、もしかして、純ちゃんが捨てられたとかぁ?」
デリカシーの無い人は嫌い。
その質問には答えず、あたしは軽く会釈して、仕事を続けた。
フウカさんはエステが大好きだって、以前、熱弁を奮っていたことがあったけど‥。
中身が綺麗じゃなければ、いくら外側を磨いたところで、美しくなんてなれない。
そんなことを彼女に言ったって、伝わる気はしなかった。