水に映る月
 

午後二時過ぎだった。


「いらっしゃーい♪」


ハシャぎ気味のフウカさんの声に振り向くと、ユーナさんが子供を連れて立っていた。

傍には、もう一人、妊婦さんがいる。


「奈月もユーナちゃんも来てくれたんだぁ!」


そう言ったフウカさんに、奈月と呼ばれた妊婦の人が


「タツキとリックンにクリスマスプレゼント買いに来てん♪」


って、答えていた。


「えーっ!クリスマスは明後日だよぉ!遅くなーい?」


驚きの声を上げるフウカさん。


妊婦さんは


「やっと、今日、ユーナと都合が合ったからね。」


と、微笑んだ。


あたしは、目が合ったユーナさんに、ペコッと会釈した。


 
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